〜アジアの風にのって 素朴なぬくもり おとどけします〜

2016年3月7日月曜日

手織りの村から その2

やっと目的地に着いたガネーシャ店長です。
そうね、確かに手織りなんだけど、でもここにあるものは探しているモノとはちょっと違う。
やっぱりそうね…よくあることよね。
「わたしが探しているモノはですね…」と説明する。
手織り草木染めの工房(factory)を教えてもらってまたしばらく走る。
のどかな道がつづくわね〜




教えてもらった地図?を頼りにやっと工房に到着。
リーダーのマダムはずいぶんお年を召していらっしゃる。
年季の入ったスタッフたち。
糸、染め、織り、尋ねたいことがいっぱい!
ひとつひとつ、作業工程を見せてもらってゆっくり話しを聞く。



生成りの糸を染める。
こちらの工房は細い糸を天然染め(草木染め)をして布を織る。
要望があれば化学染料で染めた糸でも布を織るが、その場合はすでに染めてある糸を買う。
工房では天然染めしか行わない。


樹皮を煮出して染めた様子。
温度を測ることもなく、水の量をきっっちり測ることもなく、長年の経験と勘で自然の色を引き出す。
おばあちゃんの作る家庭料理のようね。

 

これはたぶん花梨だと思います。
浸水時間の長さによって、ピンクっぽい茶色の濃淡が出ます。



染めて乾かした糸を色別に糸車で巻き取る。
こちらの工房は強い色みの天然染料はあまり使わない。
自然の色は優しい微妙な色みになるので巻き取りも難しかろう。。。


巻き取ったら、次は機織り機にかけやすいように糸の色みや数を調整する。
自然の色のグラデーション、
チークの台ととても良く合う。
ためいきが出ちゃうほど美しい。


数を数えたらいよいよ機織り機に糸を掛け渡す。


機織り機には織り途中の糸と布地が…
コントラスト強さから化学染料の糸だということがよくわかります。


どんな糸であろうと手織り作業に変わりはありません。
細い糸を横に渡す仕掛けが、アナログなオートマチック。
よく考えた仕掛けです。
足も交互に踏み替えて、リズミカルに動く。
細い細い糸が、縦に横に交差しあって巾広の一枚の布に姿を変えていく。

元々は田舎の農閑期の女たちの仕事。
織りあがった布は市場で現金収入に変わる。
サロンと呼ばれる腰に巻くロングスカートになったり
ショールやスカーフになったり
貫頭衣になったり
腰ひもを付けて結ぶタイパンツになったり
赤子を抱く袋にもなったり
アジアの国々はどこも似ている。
産物同士が賑やかにわく市場で売る分もあれば、呉服商に頼まれて反物も織る…戦前の日本も似たような生活があったように思う。

近隣の住民の生活に無くてはならない産物である布が、今では村や地域の特産品として国内国外を問わず、興味のある人を引き寄せている。

わたしが訪ねた時、バンコクから来たというリッチな親娘が現地ガイドを引き連れて工房へ直買いに来ていた。
やっぱりタイの人でもガイドがいないと辿り着けないような村だったのね…(^^;;
我ながらムチャぶり至極な熱量と行動力に呆れると同時に笑えてしまった。

まだまだつづくフィールドワーク。
ほほっ、ごきげんよう。